• zushimitsuhiro

今の自分を形成している一つの要素


舞台『嘘つき』 いよいよ最終稽古。 この作品は、 人間なら誰しもが持つ、 心の奥底にあるものを具現化しているような気がする。 田中彪の演出は、 実に真っ直ぐだ。 リアリティを追求し、妥協しない。 だから役者に求めるものは大きい。 徹底的に役や芝居の事を考えなければ、 演出家を納得させられない。 だからこそ、 若手たちは苦しむ。 その若手たちの姿を見ていると、 昔の自分を思い出す。 あの経験は、 今でも俺の役者人生を支えている気がする。 ただ、 これは今だから言える事。 数年前までは、 思い出すのも怖かった。 当然その時は、 稽古場に行くだけでも 軽く震えがくるほどだった。 演出家の求めている芝居が出来ず、 これでもかとダメ出しをもらう。 それでも出来ない俺。 周りの先輩方が見かねて、 沢山のアドバイスをくれる。 それでも演出家が納得する芝居をする事が出来ない。 気を使って先輩がラーメンを誘ってくれ、 泣きながら食べたのを覚えている。 明日は思い切ってやろう! と気持ちを切り替えて稽古場に行く。 しかし、 自分のシーンの稽古をやると、 何も出来ない自分がいる。 ほかの役者陣は(ほぼ先輩方) 次々と新しいシーンの稽古に進んで行く中、 俺は、毎日同じシーンやり、 全く進まない。 そんな日が何日も続いた。 演出家から、 君のシーンはもういい、 と言われ、 最終的に、 俺のシーンを削るという処置をとらせてしまった。 悔しさ、恥ずかしさや、 申し訳ないと言う気持ち、自分への不甲斐なさ、、 正直、 逃げ出したかった。 本当に、キツかった。


この話をこうして書く事が出来ているのは、 少し自分が成長出来ていると実感しているから、 なのかな。 いや、ただ歳とったからか。

自分でも不思議だ。 でも一つだけ言えることは、

あの経験が、

間違いなく今の自分を形成している一つの要素だと言うこと。 役者は楽しいだけじゃ出来ない。 観ている人の心を動かすには、 それなりの覚悟がいる。 この『嘘つき』という作品に出ている役者は、 それを持っていると確信している。 本日いよいよ最終稽古、 俺も自分の覚悟を形にして、 この作品と向き合い、

皆と一緒に作り上げてきます。


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ご報告

先日の舞台「区立すーぱーうるとらスゲェふぁいやーこんと小学校」の共演者が、新宿でのクラスターの影響で、コロナウィルスの接触者の可能性があり、PCR検査を受けましたが、 「陰性」という結果が出ました事をご報告致します。 私、図師光博も、次の舞台の稽古が始まっていることから、すぐに稽古参加出来るよう、 先日、自主でPCR検査を受けました。 結果は「陰性」でした。 本番が終わってから、検査に行った以外は

自分へ

コロナという見えない敵に、 芝居が、舞台が出来ない状況になった。 今やるべき事は、自粛。自粛、自粛。 もう、この字が嫌いになった。 だから、『自祝』にする。 なんか少しは気分が楽になる。 今年の目標は、 年間の舞台出演数が一番多い年、 新たなズメラ購入、 そして、海外への一人旅。 そう、見事に全て叶わなくなった。 いやそれどころか、 生活の危機に直面。 『人生何があるかわからない。』 こんな言葉が

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