
舞台『四月の霊』福岡公演、
場当たり、ゲネを終えた。
劇場が中洲の近くという事もあり、
中洲を歩いて、
ホテルまで歩いて帰っている。
15、6年前、
確かに僕はここを歩いていた。
大学生の時、
親父の単身赴任先の福岡に、
夏休みを利用して3年連続で来ていた。
この時の俺は、
自主映画を始め、夢中になり、
すでに役者を志し、卒業後は東京へ行くことを決めていた。
その仲間と福岡に来た事もあった。
親父の車で、
柳川や、熊本の阿蘇、
北九州にも足を運んだ。
仲間とお金を出し合い買ったビデオカメラで、
その旅を撮影しながら。
熊本の阿蘇にある『大観峰』
夜景が綺麗で有名な場所。
ここで、
仲間と自分の夢を語り合ったのはよく覚えている。
若気の至り、ってやつ。
役者で売れる、
そんななんの根拠もない自信、
ちっぽけな覚悟だけがあったあの頃。
あれから、
15、6年が経ち、
今こうして俺は福岡に来て、
同じ街を歩いている。
なんの根拠もない自信だけだったあの若者が、
今、
劇場で芝居を終え、
同じ街を歩いている。
ほんの少しだけ、
まだまだ少しだけだが、
自信の根拠を持ってこの街を歩いている。
その自信、覚悟を、
明日から開幕の「四月の霊」で、
素敵なキャスト、スタッフと共に、
全力で見せたいと思う。
舞台「四月の霊」
いよいよ明日より開幕。
