東京に来て18回目の春を迎えた。
毎年この季節は、
上京してきた時のことを思い出す。
小さな荷物と、
とてつもなく大きな夢と、根拠のない自信を持って東京に来た18年前の春。
上京してすぐバイトを始め、
朝早くから京浜東北線に乗りコーヒーショップに向かう日々。
俳優になる、という根拠のない自信を持って上京したものの、
一年、二年とバイトしかしていないことで、
その根拠のない自信がみるみる消えていった。
そして、
五年立った頃には、
俺は俳優にはなれないのでは、
という不安を超え、
そのバイト生活が当たり前にすらなっていた気がする。
早朝の京浜東北線でよく聴いていた曲の歌詞、
「まだ見たことのない未来で
勇敢に戦う俺がいる
きっとそうだろ どうなの?」
あの時の、
早朝の京浜東北線に乗っていた俺からしたら、
今の俺は、未来の俺。
18年前のあの時の俺に言おう、
「今も戦ってるぞ」
そして、
あの「根拠のない自信」は、
今は「覚悟」にかわっているぞ。
あの時持っていた大きな夢は、
形は違えど、叶っているぞ。
だから、
その根拠のない自信を大事に、もっともがけ。
そしてここからは10年後の俺に聞こう。
10年後、50歳になっている俺は、
その「覚悟」は何に変わっている?
一つだけ分かることは、
今までの18年間よりもっと楽しいだろう。
漠然と突っ走って来た18年間より、
目標を掲げ、
新たに持った覚悟と共に歩む10年に、
俺はあの時以上にワクワクしているから。
待ってろ10年後の俺。
今俺が思っている自分より、
もっと楽しんでる俺にしてやるから。
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